FC2ブログ
ほんまもん001

手に負えないことをやる

もうかれこれ7~8年前になるだろうか、書籍関係の仕事をしているK会長に誘われて、東京音羽の講談社へ行ったことがある。
セキュリティーのしっかりした、玄関から古めかしいその建物は時代を感じさせる風格があった。
入って行った部屋はコミック関係の編集室だった。
そして壁いっぱいに張られたポスター類は連載が始まり人気急上昇している、井上雄彦の描く「バガボンド」が殆んどだった。
その部屋は、社をあげてこのコミックに全エネルギーをかけているような感じがした・・・

昨夜のNHKのTV番組「プロフェッショナル:仕事の流儀」はスペシャル番組で井上雄彦の特集を観ながら、そんな少し前の事を思い出していた。

我が家は子供達も含めて彼の大ファン
ほかにコミックは置いていないが、井上雄彦の「スラムダンク」と「バガボンド」のみ本棚に並べてある

最初は描く筆の達者さに魅了されてファンになったが・・・・少しずつ登場人物の個性の表現力と取り組み姿勢に感心するようになった。

そのことの作り手の舞台裏を昨夜のTV番組は映し出していた。
他の取材を受け付けない彼が一人だけ手持ちの小型カメラで写すことを条件に一年間に渡る取材が観られた。
そこで観る作者は、時代を一世風靡するかっこいい作家でなく、悲壮感漂わせ苦悩する井上雄彦のぎりぎりの挑戦振りと追い込まれた絶体絶命といえそうな期限との格闘で<ネームつくり>という絵コンテが毎回描かれていた。

表面的に読者に届く絵は殆んど一日で一気に描かれ作成されるが、その骨格を成すシナリオともいえる<ネームづくり>はたやすくない。
自分の事務所の机上でなく、油断できない一般の喫茶店を自分の作業場としながら作成する<ネームつくり>は、見えない成果を求めて毎回追い詰められているようなものに見えた。

何故それほどまでにするんですか?と問われて

自分に<手に負えないことをやるんです>とふと漏らした言葉は、仕事ぶりとともに説得力があった。

尋常では納得しない、常に上を目指す自分自身にとことん挑戦するような気概を感じた。
その時と作業を得なければ、決して読者を満足させることが出来ないと決めているかのような態度だった

だからこそ、あそこまで真に迫った絵が描けるんだと感動した。
バアガボンド1
バガボンド2
昨夜のTV番組の井上雄彦には勢一杯の励ましを貰ったような気分になった。

スポンサーサイト



ほんまもん001
Posted byほんまもん001

Comments 0

There are no comments yet.