内的うずき
2018年10月31日

先月26日のNHK 『100分で名著』のホームページに、司会進行役の島津有理子アナウンサーが、22年間務めたNHKを退社するというメッセージ。
44歳家庭・子供もいる中、今から医者になるために東大医学部へ入る準備のためだという。
そのきっかけになったのは、『100分で名著』の神谷美恵子の <生きがいについて>だったと
番組進行の役割上、事前に解説指南役の 若松英輔さんたちとの 熟読と内容の検討がなされたことでしょう
朗読やその時のイラスト、そして写真など、題材として取り上げた、<生きがいについて> 何度も 島津アナウンサーは自分のことも振り返ったのかもしれない
そして幼い時から、封印してきた本当になりたい自分の職業をいま一度開くときがこの時だったのだろう
神谷美恵子の生き方のように・・・・・・やはり医者になりたい、
最後のチャンスかもしれないと、思い切って方向転換したと思う
その勇気に衝撃を受けるとともに、 22年間のキャリアのあるアナウンサーの潜在意識を揺り動かすほどこのテーマの取り上げ方、 若松英輔の解説の丁寧さと熱意その深さに今一度思い浮かべて
人は唯一自分自身と会話するようなときが何度もある
そのたびに、惰性に流されたり、自分には無理だと諦めたりしがちだが、時としてリスクのある高い塀のほうにハンドルを切って進む事もあると思う。 心に浮かんだもう一人の自分の発動と向かい合いながら
この心の叫びのような内的心理現象のことを 哲学者の森有正は 「内的うずき」(内的促し)と言って、経験と思想の中で説明していた
一冊の本との出会いは書いた著者自身との出会いになり、読み手の生き方の方向おも刺激を与える。
月曜日の輝く朝日を思い出しながら・・・・・・感心するとともに、生きがいについて再び考えてみようと思った。


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