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ほんまもん001

小説を読む

真夏の犬とヒヤカムザサン 小説  星の王子様2

海外への飛行機の中では、まとまった時間が取れて静かな読書タイム
飛行機が高度を安定させて、しばらくすると手元ライトを照らして一人になれる

今回の旅行では、往復の時間をこの三冊を手にして乗り込んだ
ほとんどの人が静かに寝ている時
私の脳裏に浮かび上がってくる映像は、宮本輝が描く短編集・・・・昭和30年代の大阪近郊の下町の暮らし

この小説を読みながら、著者より少し年下になるだけでほとんど同世代の思い出として鮮明に思い出すいくつかのことがあった
小学生の時同級生だった タッちゃんとマサミ の二人だ
四国三本松の港近くの、網小屋の横に住んでいたタッちゃんは、数年前に事故で亡くなったと同級生から聞かされた

また三本松築港の倉庫の横を住まいにしていた、マサミの家族とは 中学卒業と共に・・・・連絡が途絶えた
二人とも、小学生の三年生の担任 T先生、五年生の担任 M 先生から特別気を遣われていた生徒だった
私は彼らと気が合ったのか、心を許してくれて、家へも何度か遊びに行った

母親がいなくて、遠洋漁協に出ていた父親の職業柄、知り合いのトミちゃんという叔母さんに育てられていたのがタッちゃん
何度か部屋に行ったが、玄関の土間が半畳、そして6畳位の部屋だけが住まいだった。
台所も、便所も外だったように思う。
マサミの家もよく似ていたが暗い部屋で窓がなかった事が小学生の私の眼には、さらに不憫に感じた。

今ではもう二人の住んでいた建物は無くなった。

小説 『二十四の瞳』 の子供たちの貧しさから来る、悲しみとどこか似ていて、宮本輝の描くこの時代の世界も貧しさと、過去を隠して生きている暗さが心の奥に重たいものを残す
そして幼いころ、過ごした二人の友達の家庭のことを想うと、昭和三十年代の日本の田舎町のどこにでもあった貧しさと悲しみを思い浮かべる
飛行機の中で一人静かに活字に目を奪われながら
脳裏には、三本松の街で見かけたランニングとステテコ姿の大人たちや、貧しさに心を固くして育っていた友達の笑顔を思い出して
自分一人は、映画『泥の河』 の主人公の 8~9歳の少年の眼差しになっていた。

もうその景色はどこにもなく、思い出の中だけにぼんやりと四国三本松の港と共に残っている

鳥籠のような細い格子を窓の外全面に取り付けた高層アパート、防犯の為でしょうか? それぞれに異なる格子デザイン
じめじめした舗装と崩れかかった外壁、その中でどんな生活が営まれているのだろうか?
香港とマカオで見かけた路地裏の風景とどこか似て、余計に悲しみが胸を突いて思い出す旅行だった。


 マカオのアパート1     マカオのアパート3

 マカオのアパート4     マカオのアパート2




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