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ほんまもん001

語り継ぐ熱意

たしか・・・何枚もの布地をパッチワークで貼り合わせた旗が風にたなびいていた表紙
花森安治の『一銭五厘の旗』を探そうと居間の本棚へ目をやる。
どこを探しても、その本は無かった。
そうか、もう捨ててしまったのかと記憶もおぼろげになった本の事を残念がっていた。
その代わり、父親から譲り受けた<暮らしの手帖96>の一冊が見つかった
96号1968年夏 私が高校生の頃だと知る。
中に挟まれていた、全集のチラシには、大川郡大内町三本松の西尾誠文堂とゴム印が押されている
父が買って残してくれて、いつか他の本と一緒に頂いた代物
中学生三年生の時に、ヘミングウェイ『武器よさらば』の本を貸してくれたのも父だった

この雑誌の、文章を読んだのは今回が初めて、編集者花森安治の、この特集号にかける熱意と執念とでもいえそうな深い所から噴き出すようにまとめられている文面と意思に圧倒される
黄ばんだ紙面の縁から埃がはらはらと落ちるように長い間待っていましたと、活字が語りかけてくるようであった。
もしリアルタイムで高校生の頃にこの雑誌を読んでいたらどんな印象を持ったであろうか?
怒りにも似た、編集者の反戦への熱意は読み取れただろうか?

p53 この日の後に生まれてくる人に
それは、言語に絶する暮らしであった。・・・・・君がなんと思おうと、これが戦争なのだ。それを君に知ってもらいたくて、この貧しい一冊を残してゆく。できる事なら、君もまた、君の後に生まれてくる者のために、そのまた後に生まれて来る者のために、この一冊を、たとえどんなにぼろぼろになっても、残してほしい。これが、この戦争を生きてきたものの一人としての、切なる願いである。 編集者

p250 あとがき
・・・・・編集者として、お願いしたいことがある。この号だけは、何とか保存して下さって、この後の世代のために残していただきたい、ということでくある。ご同意を得ることが出来たら、冥利これにすぎるはありません。 (花森安治)


発行して48年が過ぎ、父親を介して、子のわたしたが65歳の時に手にして、ページを開くなり
やっと花森安治の想いが私の心に届く、 亡き編集者の起っての望み報われたかのように

暮らしの手帳2

暮らしの手帳1
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