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ほんまもん001

三本松の詩人

<海辺の日の出>
金色に染まった松に驚いて鳥は
飛び立ったまま林に帰れない
なぎにむすぼれた夜のかたまりが
もうほとんど氷解するところだ
おそれと卑下に緊張した
時間の核が南下してしまった

小屋の中で牛は目をさまして
そして静かにうずくまっている
瓦も金色に光り
その光りは輝きながら屋根をすべって
雨だれに変わる瞬間に消え失せる
そして牛は何も知らない

海に向かって顔に陽をうけるよろこび
目にくるめき以外になにも見ないことへの歓喜
冷えて不規則な心臓が燃えはじめる
この盲目の中に一日を
一月を一年を見た

衣更着 信


地方にいて、作品を少しずつ発表するその詩人が三本松にいたことを、私は高校卒業まで知らなかった。
でも同じ町内の小学校の北側で住んでいることを後で知り、その家だけは、幼い頃から前をよく通っていたので知っていた。


普段は地方の高校の英語教師として生活しながら。
地元の人たちにほとんど知られず、詩人としてコツコツと創作活動をしていた時の心境を一度聴いておきたかった。
そして亡くなった四国新聞の記事を見て、初めて詩集を読んだ。
その裏表紙に写真が掲載されているので、あーーあの人かと、見たことのある姿を思い出した。

でもその写真を撮影したのが、高校の時のクラスメイトだった田中勝美君とは驚いた。

40年前に衣更着 信さんの事を詩人として教えてくれたのは、彼だったから。
でも彼も、衣更着 信ももういない。

その詩人は地元三本松では、鎌田進さんと呼ばれていた。
三本松の家1
衣更着 信2

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