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ほんまもん001

霧のむこうにある大樹

昨夜は、BS2の深夜映画 『霧の中の風景』をついつい引き込まれる様に見入っていた。

11歳になる姉と5歳の弟が名前も知らなく、顔も観たことのない父親を探して、母からドイツにいると聞かされたことだけを頼りにギリシャからドイツへお金も持たず列車に乗り込んでいくというストーリー。

台詞がほとんど無くても、映像と俳優の素振りで現実の厳しい社会を知らされる。

この映画のことを事前にほとんど知らなくて見始めたが、途中から物悲しいトーンの映像と、けなげな幼い姉弟の姿が私の心を最後まで離さなく、いろんなことを、連想しながら観ていた。

ユージンスミスの手をつないだ姉弟の後姿写真のようなシーンを思い出したり。
ロシアとイタリアに離れて暮らすマルチェロマストロヤンニとソフィアローレンの「ひまわり」と何処か似ているところがあり・・・・・
野坂昭如の『ほたるの墓』のギリシャ版とでも言えそうだが、新聞の記事を元に作られた実際にあった物語だと知り、より一層胸を締め付けられるものがあった。

観終わったあと、今朝になっても、姉(ヴーラ)の台詞が耳について離れない。

『探しにいくと決めているので、手紙を書きます。・・・私たちはお父さんの顔を知りません。弟(アレクサンドロス)は夢で後ろを歩いてくるお父さんを見たといいます。・・・・答えてくださるなら、汽車の音に託してください。タタン・・タタン・・タタン ・・ ”私だよ、お前たちを待ってるよ”』

ラストシーンは霧に霞む丘に立っている大樹へ向かって幼い二人が走り寄るところで終わる。

人の心の悲しさと強さを、こんな風に見せてくれるのかと、映像の魅力を再認識させてくれた、テオ・アンゲロプロス監督の構成力と個性的な表現力に感動した、映画。

姉弟1
バスの前
海辺で
霧のむこうの樹
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