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二月三十一日
- 2019/03/03(Sun) -
本をどう読むか1  時計2月31日1

本を読みながら、腕時計を見ると日付は『31』 になっている
そうか、二月であれば三十一日なのか?
しかし二月は二十八日までなので今日は三月三日
三日間はどこへ行ったのだろうかと、貴重な日にちが減ったかのような錯覚に陥った

その時に読んでいた本は、岸見一郎さんの『本をどう読むか』

多読の著者らしいタイトルだが、近年本離れが嘆かれている世相を反映して、いかにも出版社からの
要請といえそうな、 内容でもあった。

先日、友人から 
『本を読んでも集中できない‥‥』 嘆きとも言えそうな言葉を聞いて
ちょうどこの本は最適の本ではなかろうかと、連想した

確かに、読みたくない本、長編の本は読むのが、心を重くさせ、文章が心に届かない事がある
目は、活字を追っているが、内容が心に届いてこない。

しかし、読みやすい文章、読みたかった本、の場合は、ついつい時間を忘れて読んでいる。
心と本の関係は、意外とそんなものかと思うことさえあるな~

感想文を義務づけられていない分、快適に読み進めることができる
同じ本でも、二十代に読んだ本を、六十代になって読み直すと 全く新鮮な文章に出会ったような気持ちにさえなる

昔読んだ本も、最近気になった本も 興味が沸く本こそ・・・・心の刺激になる本だ

今年の新年競書
『玲瓏として 玉の 人格』

昨日の生花稽古
 観水型盛花 
さんご水木・バラ・レザーファン
花留めは七宝
花器は尺一丸水盤

観水型盛花2  玲瓏として玉の人格1


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地面にぴたりと鼻をつけ
- 2019/03/01(Fri) -
ピーターライス1 オーヴアラップ1

「私はちょうどキツネを追いかけている猟犬のようなものかも知れない。地面すれすれの動物を追っているせいで、
いったい自分がどこに向かっているのかわからなくなってしまう。地面にぴたりと鼻をつけ、獲物の軌跡を逃すまいとしているのである。」

構造エンジニア:ピーター・ライスの自伝に最後に書かれていた言葉である

シドニーオペラハウスを皮切りに、ポンピドーセンター。ロイズ保険本社ビル。シャルルドゴール空港。関西国際空港ターミナル。など
20世紀後半に完成した名だたる建物の存在は、この人の存在なくして完成しなかったであろう。
オーヴ・アラップのエンジニアスタッフとして、世界中を一か月に一周のサイクルで飛び回り駆け抜けて
そして1992年に、57歳という若さで、逝ってしまった。

同じ方法や工法はしない。毎回違う工法とアプローチで、観たこともない構造システムを作り上げる
まさしく天才肌の人
このような人がいたから、21世紀の新しい門出が引賭けたのかと・・・・・思う。
建築家をサポートしてくれるこんな頼もしい人は、かつていただろうか?
今でこそ、構造エンジニアの名前が建物と共に語られるようになった。
感動と勇気を私たちに与えてくれた人・・・・・ピーター・ライス

香港上海銀行1  香港上海銀行2

シドニー2  シドニー1



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硯の水
- 2019/02/23(Sat) -
硯と墨 事務所32

寒の水に しづかにひたす 硯石 蒼き匂いの いさぎよくして <古泉千樫>

明日打ち合わせの仕事、準備を済ませ・・・・お菓子・紅茶で一服、 そして墨を摺る
課題提出の作品を最近は出し遅れていると反省しながら

墨を摺り、先程まで考えていたプランを思い浮かべながら、手元の硯とは違うことを脳裏に浮かべて
思い残すことが、次から次に出てきて、いさぎよく突き抜けた感じがしない・・・・不完全だと思いつつ

ル・タン・デ・スリーズのケーキと 三友堂のカステラ が 本日のスイーツ

チョコとシュークリーム1 カステラ 三友堂  




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陋習(ろうしゅう)
- 2019/02/14(Thu) -
井上有一1  井上有一2
上田桑鳩に師事して11年間習ってきた井上有一が書道界と、決別して35歳の時に記したl記録に

『書道界の陋習(ろうしゅう)を知り絶縁を宣言する』 昭和26年(1951年) と表現している

この時期の前後のことを読み砕いても、毎日書道界退会の理由を詳細には記載されていない。
しかし、師匠に対するスタンスと毎日書道展などの入選と審査の進め方に対して心の底から・・・
書道界の人々に対して嫌悪感を抱いたのだろう。
それは自分自身この書道に賭けていたエネルギーが高かっただけに
それに比例して、受け取る反発感情も激しく 井上有一自身に決心させたから 陋習という吐き捨てるような言葉が出たのだろう

この流れを読みながら、生花界のことを想った。
池坊の家元まで丸亀から学びに行っていた、中川幸夫にとって、世襲制の家元に対する思いは井上有一と似通った陋習を見出したのかもしれない
書道展の作品には優劣を審査員が付ける、それまでの習い事にはお金が介在する
お手本を先生から購入すること、生花でいえば、昇段するのは、登録費用と称するお金が尋常でなく発生する

真剣に新しい書道や生花を進めようとすると、既成の団体は様々な面で大きな障害を抱えている
そのまま、業界の慣習に従えば、波風も立てずに過ごせたのだろうが、井上有一にとっては、陋習として許せなかったのだろう

それからの30年にわたる書道人生は大きく羽ばたく作品の列挙となった
にらみ返すような眼光鋭い目付き
全身で紙にぶつけるような、筆運び
こんなエネルギーを掛けるのだと・・・・・圧倒されながら写真を見る

仕事は、教職としての収入減に頼って・・・家族を養う
家庭での井上有一は子供たちを叱ったり、進路を命じたりすることはなくほとんど放任主義だったという
むしろ温厚で優しい父親だったと
そんな生き方を想像しながら、『日々の絶筆』 を読む

       井上有一3                 井上有一4

井上有一5  井上有一6



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感情が切れない生き方
- 2019/01/28(Mon) -
朝日28

日曜日に読んだ本、二冊 「人生は生きがいを探す旅」  「神谷美恵子の世界」

「神谷美恵子っていう人はキレないんです」

戦前、女学生が医師になることを望んでも、当時通っていた津田塾の塾長も両親も猛反対された
感情が切れずに、いつか自分の生きがいというものをあの人たちも分かってくれるに違いないと一応、表面的にはそれに従う

加賀乙彦さんが「神谷美恵子について」津田塾大学で講演した記録を読んで、特に心に響いたところ

この感情を破綻させない性格は、幼い時の両親の日々の軋轢を観てきた経験も一役かっていたからではないだろうか?
いつか母親が家を出て行ってしまうかもしれないという不安感
波風立てずにいい子でいなければいけないという自制心
おとなしくて、辛抱強い性格

神谷美恵子の65年という人生の中で、一番望んでいたハンセン氏病患者の心の支えになるという仕事は15年間でした
外国語を学んだことも、家庭生活で二人の子供を育てたことも、その為の経験だったともいえる
文学とバッハの音楽が生涯を通じて最も好きだった趣味かもしれないが、抜きんでて文学的な才能は外国の書籍を翻訳するときに一気に開花する。
長年学んできた土壌があればこそ、ニュアンスの違う外国の言葉を真髄を突く様な日本語にして語る才能となったと思う
表現豊かな日本語を使えるということの大切さ、死の床にあっても、次男の嫁に語り掛ける言葉は起承転結があったという

次男さんの対談記事で、家庭ではよくしゃべり、泣いたり叫んだろしておりましたと聞くと、・・・それも人間らしく、ほっとする。

巻末の年譜を見ると、多種多様な仕事や要件に流されながらも、ついにはライフワークといえる精神科医の仕事と思想家としての著作活動も完成させる。教職について授業後のカウンセリングまで行ないながら務めたという。
こんな見事な生き方をした人が 日本人の先輩としておられただけでも、心揺さぶられる

黄金色に輝く・・・・・今朝の朝日 7時頃

神谷美恵子の世界1   加賀乙彦 講演記録




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風を書く
- 2019/01/20(Sun) -
風を書く1

調和体の稽古
「虎は風を起こす」
それぞれの文字を字体辞典で調べて、お気に入りの文字の臨書から始まり
特に、風という文字は字体辞典で調べる、その中の二つの文字を稽古する。

藤原行成の 風
空海の 風

墨がなくなるまで、今日も稽古した
休みの日でもできる限り時間をかけて、仕事の合間に稽古する

仕事は、計画中のゲストハウスをスケッチする・・・・・・スマホで Spotify を聞きながら
ゲストハウス計画
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古本再読
- 2019/01/19(Sat) -
琳派調生花1

名著「夜と霧」は20年くらい前に読んだ記憶はあった、しかしNHKの「100分de名著」で諸富祥彦 先生の解説で目を開かされたような気にさせられて、古い本棚を探しに行く・・・
最近になって、ちょうど、東北の震災後に再びこの本に注目を集めて読まれるようになったという
諸富先生と姜尚中の解説は分かりやすく、これほどきちんと読んでいなかったと思い、古い本棚から探してきて再び読み始める
読み下しの解説に感心させられながら、この活字に目を奪われる。

合わせて、土居健郎の「甘え」の構造。 外山慈比古の「思考の整理学」
この三冊は何度も手元に置いて目を通していたい、振り返って読み返してみたいと思う本。

付箋と赤の水性ペンを手にして

今日の稽古、琳派調いけばな
黄中菊
小菊
レザーファン

庭のオレンジの餌は毎日少しづつ鳥がついばみに来ている


夜と霧1思考の整理学3甘えの構造1 オレンジの餌






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「生きがいについて」の背景
- 2019/01/09(Wed) -
小豆島を見る1  長島神社1

瀬戸内海の岡山側、長島愛生園の前から小豆島を望むと海は銀色に輝いて暗い影のような小豆島がその向こうに見える
さぬき市の津田から見る景色とこんなにも違うのかと光る海を見つめる。
目の前には、干潮時には歩いて渡れるという長島神社の参道が目の当たりに見える

讃岐津田の事務所から車で三時間かけて来てみようと思ったのは、先日<リブレボディ>へ行った折、 T 君と 長島愛生園のことについて話をしていて、まだ行かれたことがないのであれば・・・行かれたら、神谷美恵子さんの存在が分かりますよと・・・言ってくれたから~。

先日から、電話で予約して、神谷美恵子さんの遺族が贈答した神谷書庫を一度は観たくてやってきた。
見学用の施設が充実していて、パンフレットも完備している。
書庫という名にしたのは、建物の代金を贈答されたので蔵書はごく最近神谷さんの遺族の方が持参して整理されているらしい。
時間予約していたので、あらかじめ私一人のために暖房機で温めていてくれたことに感謝しつつ、読んだことのない資料を読ませてもらった。

資料館へも足を運び、ハーモニカの青い鳥楽団のコーナーで、ハンセン病患者だった近藤宏一さんが
『燃えなければ、光はないといったんですね~ 僕らは燃えたんですね、みんな燃えたんです~」という言葉が
印象に残っていたが、この言葉のことを、長島愛生園にいた明石海人という詩人の言葉だと知った
 
『深海に生きる魚族のやうに、自ら燃えなければ何處にも光はない』

神谷さんが昭和32年から昭和47年まで15年間、芦屋から五時間かけて通った事。
水曜日から土曜日まで幼い子と夫を残して精神科医として勤務していたことを本で知っていたが、橋もかかっていない時代
よくぞ通い続けてこの島に来たものだと・・・・この島に来てみて、信じがたいほどその労力と勤勉さに頭が下がる思いにさせられた。

蔵書の文章に赤鉛筆でアンダーラインが引かれているのを見つけると、フランス語の堪能なこと、徹底的な学習態度を見せつけられるようで圧倒される。
神谷美恵子が「生きがいについて」を7年間かけてまとめ上げた背景の一部を垣間見たような、島への訪問だった。


神谷書庫0  神谷書庫1

神谷書庫3  神谷書庫4

長島愛生園1  長島愛生園2






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元結(もっとい)
- 2019/01/06(Sun) -
水引1

本所達磨横町(ほんじょだるまよこちょう)の長屋に住む左官職人・長兵衛の『う~ッ寒い~』という袖を胸の前で閉じるように寒さを感じさせるセリフで柳家さん橋が熱演する有名な落語の人情噺 『文七元結(ぶんしちもっとい)』 の 元結(もっとい)という言葉の意味を知らずにずいぶん長く聞いていた。

今月の小原流の月刊誌:挿花の特集記事が『水引』 だった。
そして詳しくその成り立ちや、製作のこと、そして水引と元結の違いのことまで説明されている箇所を読み進むにつれえて
文七という人物は実在の人物で、長野県飯田市に桜井文七の墓と供養塔まで作られていること、元結屋を営んでいたことが語り継がれている。

昭和の時代になっても、飯田市の水引は工芸品の域にまで高めて現在に至ることを知った
元結とは、相撲取りの髷を結ぶ強固な水引のことと思ったらちょうど・・。
古くは麻の糸や組みひもが使われていたものを江戸時代になると細く切った和紙によりをかけて強度を増し、米のりを縫って艶を出した元結が使われるようjになったという。
明治時代は木製の元結より機でテープ状の和紙をねじり、強度のある紙紐にしたという。
今では、水引工場の風景として機械によるよりを掛けるシーンが掲載されている。

落語の『文七元結』は 柳家さん喬もよし。古今亭志ん朝の人情噺のデリケートな表現もよし、立川談春の 博打打の長兵衛を諭す、吉原の佐野槌の女将のセリフの迫力もよかった・・・・と 思い出しながら

 水引2  水引3 
水引4  水引5  





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新年競書課題
- 2019/01/04(Fri) -
新年競書32

年賀状の宛名書きの合間に、年末から書き始めて30点
やっと新年競書の提出に間に合わせられそうな作品が出来た
10枚よりも20枚、墨を摺り続けてさらに10枚 半切の二分の一のサイズ
もう一人の自分と根気比べの戦いのような、まさに「克己」と呼べそうな、自身に立ち向かっている感覚がある
疲れたから、今日はもう休もうと思うとそれまで・・・・しかしあともう少しと踏ん張ると、そのような作品が出来る
不思議とその差が自分にはわかる

摩り減ってゆく墨を見ると、よく摺ったものだと達成感が湧いてくる
墨摺りで、筆を持つのも辛いほど、腕がつかれると・・・・・・時々、自動墨摺り機が欲しくなる
太筆で大きな文字を書くときは今度からそうしようかと・・・

出来上がった書を見ながら、自己嫌悪に陥ることもしばしば
でも、もう少しと背中を押す情熱は、先人たちの書かれた文字や文章から受け取る
そのぐらいで、何を情けない顔をしているのですかと・・・・書道家の先輩たちから、叱責を浴びせかけられる
それを吹っ切るように、自分との戦いだけに・・・・・今日も専念しながら筆を手にした

庭の黄色いロウバイと沈丁花の蕾が赤く色づく正月に・・・・・

ロウバイ32  沈丁花赤蕾1




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